ご挨拶

 大会長あいさつ

Michael D. Fetters (Professor, Department of Family Medicine, University of Michigan)

日本混合研究法学会(JSMMR)ホームページへようこそ!

この度、2015年9月19~20日に大阪第一回国際混合研究法学会アジア地域会議が開催されることとなりました。この記念すべき第一回大会のテーマは「混合研究法への誘い〜学の境界を超えて」です。量的および質的研究それぞれになじみの深い研究者が多い中、 研究デザイン、方法、分析法、理論的・哲学的観点から双方を意図的に組み合わせる混合研究法が新しいパラダイムとしての注目されています。この大会が、今後大いなる発展の期待される混合研究法に関心を持つあらゆる領域の研究者が集う場となることを願っています。皆様のふるってのご参加をお待ちしています。

本大会には混合研究法の初心者から上級者まであらゆるレベルの研究者の参加が期待されます。混合研究法の世界的権威であるジョン・クレスウェル先生、ベンジャミン・クラブトリー先生、バーク・ジョンソン先生による基調講演やワークショップをはじめ、国内の混合研究法エキスパートである亀井智子先生、抱井尚子先生らによる講演らによる講演やワークショップなども予定されています。発表内容は、現在進行中の研究からすでに完了している研究、理論的また哲学的観点からの報告など様々な機会が設けられており、発表者は口頭発表(日本語・英語どちらでも可)かポスター発表を選ぶことができます。大会での使用言語は日本語および英語です。基調講演には通訳が付き、ワークショップには言語サポートが入ります。

本大会に先立って、2013年10月に東京で第一回国際混合研究法シンポジウムが開催され、200名を超える参加がありました。また、2014年6月末にボストンで開催された第一回国際混合研究法学会にも多くの日本人研究者が参加しました。今後さらに混合研究法に興味を持つ研究者が増えることを願っています。皆さんに大阪でお会いできることを楽しみにしています!

Greetings to Japan Society of Mixed Methods Research (JSMMR) website. On behalf of the JSMMR, I cordially invite you to the First Japan Regional Mixed Methods International Research Association Meeting, September 19, 20 in Osaka Japan. The title of the inaugural meeting is, “Introducing Mixed Methods Across Multiple Disciplines”, and the purpose is to bring together scholars of all disciplines who are interested in the emerging field of mixed methods research. While many researchers are familiar with quantitative and qualitative research, mixed methods has emerged as a paradigm that intentionally combines the two disciplines together through design, methods, analytical approaches, and theoretical/philosophical perspectives. 

The meeting will attract mixed methods researchers of all types, novice to the advanced. Internationally renowned mixed methods researchers John W. Creswell, Benjamin F. Crabtree and Burke Johnson will provide keynote speeches and workshops. They will be joined by world-class mixed methods experts from Japan Tomoko Kamei, Hisako Kakai, and others. The platforms range from submission categories of works in progress to completed research, and theoretical and philosophical perspectives. Presenters can choose between poster and oral presentation formats. English and Japanese will both be utilized at the conference with all keynote presentations featuring interpreters, all workshops conducted with bilingual support, and oral presentations can be in English or Japanese. 

The current meeting grew out of two previous events, the First International Mixed Methods Research Symposium was held in Tokyo on October 20, 2013 and attracted over 200 paid registrants. There was a very strong showing of Japanese participants in the First International Mixed Methods Research Meeting held in Boston, June 27-28, 2014. Please join us in Osaka to ride the rising wave of interest in mixed methods research!

 日本混合研究法学会理事長あいさつ

 抱井 尚子(青山学院大学国際政治経済学部国際コミュニケーション学科教授) 

今日、私たちが直面する問題はますます複雑化しています。その原因として、急速に進むグローバル化や、技術発展に伴う人々の価値観・思考・生活様式などの変化と多様化が挙げられるでしょう。近代の線形的思考は今日の複雑な問題を解決するには不十分であり、また私たちを取り巻く現象の全体像を理解するためには、その多様性に注意深く耳を傾けるポストモダン的視点が必要となります。

混合研究法は、量的研究と質的研究のシナジーによって生まれる力を活かすアプローチであり、今日の複雑な現象をマクロとミクロの両方のレベルから探求することを可能にします。このアプローチにより、複雑な現象の中で個々人が置かれた状況、そこで人々が持つ深く多様な視点・経験、そしてそれらの総体としての現象の全体像を捉えることができます。さまざまな問題を特定し、その解決策を発見し、さらに解決策の有効性を検証する力を備えた混合研究法は、医療、保健、教育などといった多様な応用分野の研究者にとって力強いパートナーとなるでしょう。

このような混合研究法の可能性に気付き、関心をもつ人々が世界的に増えつつあります。また日本においても、混合研究法を用いた研究が急速にその数を増しつつあります。今こそ、多くの研究者・実践家がこの方法論の流れに参加すべき時と考えます。そのような中で、今回日本で初めて開催される国際混合研究法学会地区大会に、ぜひ皆さまにご参加いただければと思っております。大会テーマは「混合研究法への誘い  学の境界を越えて」です。分野、文化、言語の境界を越え、皆様と刺激的な対話ができることを期待いたしております。